デジタルゲーム学研究
Online ISSN : 2434-4052
Print ISSN : 1882-0913
13 巻, 1 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 金森 公洋, 森崎 修司, 山本 修一郎
    2020 年 13 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/01
    ジャーナル フリー
    ゲームソフトウェア開発の特徴としてテストプレイによるフィードバックを繰り返しながら開発することや実行時性能の 要求が高いことが報告されている.大規模化に伴い保守性の向上が求められるが,この特徴のために保守性が犠牲に なっている可能性がある.本論文ではゲームループ内の更新メソッドを対象として保守性を調査する.更新メソッドを対象 としたのは代表的な実装方法であり,保守性の差がでやすいと考えたためである.説明的順序デザインに従い,GitHub 上で注目度の高いリポジトリの更新メソッドの実装方法を調べ,その結果が商用ゲームソフトウェアにもあてはまるかどうか を商用ゲームの開発者を対象とした半構造化インタビューで調べる.調査の結果,状態変数と条件分岐による保守性が 低い実装方法を用いたリポジトリが 39 件,State デザインパターンによる保守性が高い実装方法を用いたリポジトリが 1 件 であった.この結果が商用ゲームソフトウェアにもあてはまるという回答が 11 人のうち 8 人から得られた.
  • 精神医療におけるゲームの活用
    月江 伸弘, 古川 俊一, 原田 俊信, 亀田 弘之, 池淵 恵美
    2020 年 13 巻 1 号 p. 13-20
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/01
    ジャーナル フリー
    認知機能障害を基盤とする統合失調症は、日常生活や就学・就労などの場面で大きな障害となる。統合失調症に 対するリハビリテーションは、近年ゲームをトレーニングに応用する試みがあり、有用性が確認されている。本研究は、ゲ ーミフィケーションを取り入れたリハビリテーション用ソフトウェア「Jcores」をゲーム開発用エンジンの 1 つである Unity を用 いて開発を行った。本論文では、Jcores に実装されている 25 種類のゲームを紹介する。また、Jcores を用いたトレーニン グプログラム「VCAT-J」の効果とその普及に向けた活動について報告を行う。
  • 木村 知宏
    2020 年 13 巻 1 号 p. 21-29
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/01
    ジャーナル フリー
    本研究では、感情・覚醒チェックリストと携帯型唾液アミラーゼ測定機器を用いて、デジタルゲームが感情経験とス トレス反応に与える影響について検討するために、2 つの実験を行った。これらの実験では、質問紙による主観的反応の 測定と唾液の採取がゲームプレイ前後に 2 回ずつ行われた。実験Iでは、30 名の大学生が 3 つの群(スキル学習群、 対戦群、統制群)に無作為に割り当てられた。スキル学習群は対戦格闘ゲームの操作技術を学習するゲームモードをプ レイし、対戦群は同じ対戦格闘ゲームのコンピュータと対戦するゲームモードをプレイした。統制群はゆっくりと村での生 活を楽しむゲームをプレイした。実験IIでは、熟達度によって 2 つに分けた群にそれぞれ 10 名の実験参加者を割り当 て、どちらの群の参加者も対戦格闘ゲームをプレイした。その結果、どちらの実験においても唾液中α‐アミラーゼの有 意な変化は見られなかったが、有意な主観的反応の差が見られた。スキル学習群と対戦群においては、活力感と緊張感 が生起されることが示された。また、長期的なプレイ経験のある熟達したプレイヤーは、熟達していないプレイヤーよりも 長く活力感を持続させるということが明らかになった。
  • 中村 彰憲
    2020 年 13 巻 1 号 p. 31-37
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/01
    ジャーナル フリー
    本稿は、DiGRA 2019(2019 年 8 月 6〜10 日、京都)の開催報告である。日本デジタルゲーム学会の親組織である Digital Games Research Association の世界大会はここ数年毎年行われているが、2019年、京都の立命館大学衣笠キャンパスにて、"Game, Play and the Emerging Ludo-Mix"をテーマに開催された。なお世界大会の日本での開催は東京大学で開催された DiGRA 2007年以来12年ぶりとなる。
  • 天野 圭二
    2020 年 13 巻 1 号 p. 39-42
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/01
    ジャーナル フリー
    本稿は、Replaying Japan 2017(2017 年 8 月 21~23 日、ロチェスター)、Replaying Japan 2018(2018 年 8 月 20~ 22 日、ノッティンガム)ならびに Replaying Japan 2019(2019 年 8 月 9~11 日、京都)の参加記である。2017 年は The Strong National Museum of Play にて“Transmedia and Story in Japanese Games”をテーマに、2018 年は当時ノッティンガ ムにあった The National Videogame Arcade で“Music, Sound and Play”をテーマに、2019 年には Ritsumeikan Game Week の一部分として“Japanese Games: Past, Present and Future”をテーマに立命館大学で開催された。
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