抄録
本研究の目的は,デジタルゲーム開発やデザインを専攻する学生の「ゲームの利用と満足」と創造性の関連性について検討することである.ゲームの利用と満足を把握するために,井口のゲームの利用と満足尺度を用い,「ゲ ームの利用と満足」と「創造性」に関連性があると仮説を設定した上で,調査を行った.その結果,「空想」,「承認」, 「達成」,「学習」が高い学生は創造性が有意に高い傾向が見られたが,「趣向」,「気晴らし」は他のゲームの利用と満足の因子および創造性との関連性は認められなかった.このことから,仮説が支持される結果が得られた.そして, (1) 「空想」,「承認」,「達成」,「学習」は創造性を喚起しうる可能性があること,(2) 「趣向」,「気晴らし」は独立した要因として考えられることが示唆された.