抄録
VR酔いを軽減する手法として一般的なのは映像による工夫である。しかし、映像による工夫は死角からの攻撃のような現象には有効ではない。そこで本研究では音による酔いの軽減に着目した。先行研究から、光刺激よりも音刺激を600ms早く提示することでその後の事象に対する反応速度が速くなることや起こる事象を事前にプレイヤーに予測させることで酔いを軽減できることが分かった。そこで、VR ゲームで移動時に死角から衝突されたとき、音を600ms早く鳴らすコンテンツと映像と音が同期しているコンテンツを用いて検証実験を行った。SSQによる評価から、有意な差はないが音刺激を早く提示することで酔いが軽減できる傾向にあることが分かったほか、 様々な傾向が明らかになった。