抄録
世界で猛威を振るったコロナウイルス感染症のパンデミックの中、『あつまれどうぶつの森』は国際的に記録的セールスを達成した。各国のメディアでは、このゲームを取り巻く社会現象には当該パンデミックが関連していると報道した。そこで、本研究では、日本、フランス、イギリス、韓国、アメリカの5 ヵ国を調査対象とし、当該ゲームタイトルをプレイするモチベーションが前述の状況の下、文化的普遍性を有する現象なのかを検証した。その結果、国際的に当該ゲームタイトルをプレイするモチベーションが、「レクリエーション」であることが示唆された。また、このモチベーションには、異文化理解の枠組みとして世界的権威を持つホフステードの6 次元モデルの2 つの指標である「人生の楽しみ方」と「短期志向/長期志向」と呼ばれる各国の文化的価値観との間に関連性があることが明らかにされた。