抄録
ビデオゲーム動画配信市場が急成長している一方で、ゲーム機やモバイルゲームのプレイ時間が減少している。この傾向からビデオゲームをプレイせずプレイ動画を視聴する層が増えていると考えられる。本研究では実験用に独自の 2D 脱出ゲームを制作し、そのゲームをプレイした人とプレイ動画を見た人とでゲーム内容の記憶量に差が生じるかを調査した。ビデオゲームをプレイする被験者群、プレイ動画を視聴した被験者群それぞれに対し、プレイ後または動画視聴後にゲーム内容に関する記憶テストを実施し、結果を比較した。記憶に関するアンケートの自由記述を文字数で比較した結果、プレイ群よりも視聴群の文字数が有意に多かった。また、プレイ群のほうが視聴群に比べ古い情報を忘れる傾向にある可能性が示唆された。本研究の条件において、プレイ時と視聴時に記憶に関する違いが生まれている事を明らかにした。