抄録
ビデオゲームなどのインタラクティブなコンテンツにおいて破壊表現は多用される表現の1 つであり、視覚的なリアリティや動的に反応を返す計算効率が求められる。リアルタイム破壊シミュレーションは物体にかかる外力を基に破片形状を決定する物理ベース手法と幾何学模様やアーティストによって破片形状を決める非物理ベース手法に分類できる。実際は非物理ベース手法が用いられるケースが多く、物理ベース手法がビデオゲームで用いられた事例は存在するが、生成される破片形状がモデルの境界に依存しており、正確な亀裂や破片を生成することができない。そこで本研究ではより正確な亀裂や破片を生成できる物理ベース手法を提案する。本手法は有限要素法を使用し、破壊対象はボリュームメッシュで表現する。各要素にかかる主応力から破壊を行うか判定し、破壊する場合は破断面に沿って要素を分割することで物理的に正しい亀裂や破片を発生させることができる。