抄録
近年、デジタルゲームは小児の弱視訓練において有用なツールとして活用されつつある。一方で、長時間のプレイが近視化や眼疲労などの視機能へ与える影響については懸念が示されている。本研究では、デジタルゲームの種類が視覚反応に及ぼす影響を比較するため、異なる眼球運動パターンを有する3 種類のデジタルゲーム課題を用いて、1時間のプレイと終了後15分の休憩による屈折、調節、瞳孔径、眼位の経時的変化を検討した。その結果、格闘アクションゲームにおいて、可逆的な近視化と調節力の増大が確認された。デジタルゲームの種類によって視機能への負荷は異なる可能性があり、弱視治療にデジタルゲームを活用する際には、その潜在的な課題への理解を深めた上で、プレイ時間や休憩の取り方を調整する必要がある。