抄録
大規模言語モデル(LLM)は, その強力な推論能力により自律的なゲームエージェント構築に注目されているが,ゲームルールが事前に与えられていない環境での研究は少ない. テキストベースの迷路ゲームにおいて試行錯誤によるルール獲得が達成されているものの, 「一度誤ったルールがリポジトリに登録されると自己修正が困難である」という課題が明らかになった. 本研究はこの課題を解決するため, 単一プロンプトで複数の処理を行っていた従来のプロセスを,
複数のモジュールに役割分散し, 獲得ルールの妥当性を評価する検証処理を導入したシステムを提案する. 実験の結
果, 提案システムは意図的に混入された誤ったルールを正確に排除できることを確認した. これは検証処理とモジュー
ル分割により, LLM のバイアスを回避し, システムの高い堅牢性を確立したことを示す. 本研究は, 未知環境における
LLM エージェントの信頼性と安定性を構造的に向上させる指針を提供する.