日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集
Online ISSN : 2758-4801
2023 夏季研究発表大会
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ゲームと社会(セッション5)
e スポーツとゼロ年代以前のゲーム大会との関連性に関して
*芸武田 拓也
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会議録・要旨集 オープンアクセス

p. 84-89

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抄録
本発表では、現在注目を集めている e スポーツが、どのような変遷を経ながら形作られてきたかを、ゼロ年代以前のゲーム大会と比較しながら検討している。というのも、e スポーツの大会や試合の構成やルール、対戦形式などの点が、国技館や幕張メッセ等の施設を使用した、格闘ゲーム大会と類似していることが、当時のゲーム雑誌等の調査を進める上で判明してきたためである。また上述した大規模なゲーム大会以外に、当時はゲームセンターやゲームショップなどで、小規模なゲームイベントが催されていたが、こうしたイベントの要素のいくつかもまた、e スポーツに取り入れられていると、応募者は考えている。 だが、e スポーツ関連の先行研究に目を通してみると、ゲーム大会から e スポーツへの移り変わりに着目した研究があまり見かけられず、むしろ e スポーツの経済的効果や法律問題等に言及した研究が目に付く。そこで、国内におけるゲーム大会と e スポーツの歴史的変遷を、メディア研究・文化史研究の観点から行うことは、その希少性から非常に意義のあるものであると考えている。 発表の際には、当時のゲーム雑誌や業界誌の資料等を適宜参照しながら、相違点や共通する問題点等に触れ、e スポーツの発展のために、どのような事柄を過去の事例から教訓として学ぶ必要があるかに言及する予定である。
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