日本デジタルゲーム学会 夏季研究発表大会 予稿集
Online ISSN : 2758-4801
2023 夏季研究発表大会
選択された号の論文の54件中1~50を表示しています
前付け
基調講演
ゲーム開発(1)(セッション1)
  • 柊元 勇輝, 阿部 雅樹, 渡辺 大地
    p. 17-20
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年,オープンワールドレースゲームというゲームジャンルが多く存在する.このゲームジャンルでは,広大なマップを探索し,様々な場所でレースやタイムアタックを行うことができるという特徴を持つレースゲームである.このゲームジャンルには,ゲーム内の交通ルールに従って走行する一般車両が存在する.この一般車両が形成する交通流は,現実世界の自動車が形成する交通流とは異なり,発展した都市や地方の町での交通流の違いがない.マップ環境の変化に応じて交通流が変化しないことによって,景観の一部としての役割を担えていないという問題がある.また,オンラインでの複数のプレイヤーを想定することにより,単純な一般車両の追加・消去による調整は複数のプレイヤーの視界が存在するため困難である.そこで,本研究では,複数のプレイヤーの視界を考慮した一般車両の交通流動的調整手法を提案することを目指す.
  • 平川 孟弥, 阿部 雅樹, 渡辺 大地
    p. 21-24
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ゲーム分野で経路探索を行う際に経路グラフを使用するが、経路が多いほど計算時間が長くなる。そのため経路を削減する指標となる重要度を求める手法が提案されている。しかしリアルタイムで経路グラフが生成される場合、経路の重要度を求める手法の計算時間を短縮することが重要になる。本研究では削除した経路の周囲の頂点同士の最短経路の長さから、高速に経路の重要度を求める手法を提案し検証を行った。複数の経路グラフで提案手法を適用したところ、一部の経路グラフでは計算時間を短縮し、先行手法に近い重要度を求めることできた。
  • 二口 聡, 安食 美由紀
    p. 25-28
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究では、コンピューターゲームに触れる機会が比較的少ない層に対して、ゲームのおもしろさや有効性を広めることを目的とし、教育や仕事に活用できるゲームチュートリアル講座の開発を行った。同講座は、ゲームのチュートリアルが持つ「ゲームの全体像をわかりやすく伝える」、「ユーザーを引き込むための様々な創意工夫が施されている」という特性を受講者の社会生活の改善に利用する方法を学んでいく構成となっている。
ゲーム開発(2)(セッション2)
ゲームと文化(セッション3)
  • - 中国女性ゲーマーの語りから -
    張 佳
    p. 48-53
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究では、中国の女性ゲーマーを対象にインタビュー調査を行い、デジタルゲーム文化におけるミソジニーの問題を明らかにした。結果として、ゲーム文化は、女性に対して排他的かつ男性支配的であるという実態が浮き彫りとなった。また、「女性」と「ゲーマー」という 2 つのアイデンティティの間には矛盾があることが明らかとなった。さらに、女性ゲーマーは、様々な対策を講じてゲーム文化におけるミソジニーに対抗しているものの、彼女らの対策では、この差別の構造を覆すことができないという限界がある。
  • - 立命館大学ゲーム研究センターにおける資料組織化と展示実践を事例として -
    毛利 仁美
    p. 54-59
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ビデオゲームアーカイブ研究のうち、立命館大学ゲーム研究センター(RCGS)における、ビデオゲーム資料の「組織化」と、それらの「活用」に焦点を当て、これまでの実践的な取り組みを紹介するとともに、今後の課題と展望を述べる。組織化については、RCGS での目録作成とその公開として RCGS コレクションについて述べ、未知資料の発見促進のための雑誌目次の入力、サムネイルの実装の事例を紹介した。活用については、展示や研究利用での貸出についての事例を述べた。今後の課題として、資料の貸出(図書館運営等)や、教育利用の体制作りの検討を挙げた。
  • 耿 義
    p. 60-63
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年、中国のスマホゲームは日本において影響力がますます大きくなり、多くのプレイヤーを引きつけている。しかし、これらのゲームには日本要素が取り入れられているという共通点がある。これは、中国が文化大国として自負している国にとっては驚くべきことであろう。本研究では、日本市場で最も人気のあるいくつかの中国のスマホゲーム(「陰陽師」、「原神」、「IdentityV」、「崩壞:スターレイル」など)を基に、その中に含まれる日本要素を探求し、中国のスマホゲームがなぜそうするのか、そしてその影響について分析する。
ゲームプレイ(1)(セッション4)
ゲームと社会(セッション5)
  • - 取り締まりの対象は誰ですか?なぜ二重基準が存在するのですか? -
    張 俊卿
    p. 81-83
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    この発表では、中国の e スポーツ業界におけるオンラインギャンブル規制の厳格な取り締まりの欠如について議論する。関連する規制の設立にもかかわらず、e スポーツに関連するオンラインギャンブルに対する刑事的または行政的な罰則の欠如が、この記事では 3 つの例を通じて示されている。それらの例とは、中国の e スポーツチームがオンラインギャンブル企業からのスポンサーシップを受け入れていること、「八百長」に関与した中国の e スポーツプレイヤーに対する罰則の欠如、そしてオンラインギャンブルサイトを運営した e スポーツ業界の「重鎮」の起訴の失敗である。この発表は、オンラインギャンブル企業が監視システムを回避するために文化的なリフレーミング戦略を使用していること、および中国における e スポーツの政治的・経済的な影響がこの取り締まりの欠如に寄与している可能性があることを主張している。この記事は、中国の e スポーツ業界におけるオンラインギャンブルの規制の欠如の潜在的な影響についての示唆を与える。
  • 芸武田 拓也
    p. 84-89
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本発表では、現在注目を集めている e スポーツが、どのような変遷を経ながら形作られてきたかを、ゼロ年代以前のゲーム大会と比較しながら検討している。というのも、e スポーツの大会や試合の構成やルール、対戦形式などの点が、国技館や幕張メッセ等の施設を使用した、格闘ゲーム大会と類似していることが、当時のゲーム雑誌等の調査を進める上で判明してきたためである。また上述した大規模なゲーム大会以外に、当時はゲームセンターやゲームショップなどで、小規模なゲームイベントが催されていたが、こうしたイベントの要素のいくつかもまた、e スポーツに取り入れられていると、応募者は考えている。 だが、e スポーツ関連の先行研究に目を通してみると、ゲーム大会から e スポーツへの移り変わりに着目した研究があまり見かけられず、むしろ e スポーツの経済的効果や法律問題等に言及した研究が目に付く。そこで、国内におけるゲーム大会と e スポーツの歴史的変遷を、メディア研究・文化史研究の観点から行うことは、その希少性から非常に意義のあるものであると考えている。 発表の際には、当時のゲーム雑誌や業界誌の資料等を適宜参照しながら、相違点や共通する問題点等に触れ、e スポーツの発展のために、どのような事柄を過去の事例から教訓として学ぶ必要があるかに言及する予定である。
  • 小林 信重
    p. 90-94
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究は「ドラゴンクエストシリーズ」「いただきストリートシリーズ」などのコンピュータゲームの制作者として知られる堀井雄二に注目し、彼が大学を卒業してから著名なゲームデザイナーになるまでのフリーライター時代(1978~1988 年)の社会的文脈(大学漫研出身者の互助関係、東京のマスメディア、消費社会化)が、彼の創作活動に果たした役割を、新聞・雑誌記事などの資料の収集と分析に基づいて明らかにする。
  • - 学習は遊び-ゲームとどのように関係して論じられてきたのか? -
    井上 明人
    p. 95-98
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    遊び-ゲームと学習や適応の関係について論じてきた議論は多い。それは近年の歴史だけでなく古代からそういった主張を確認することができる。プラトンの『法律』からはじまり、グロースによる準備説の提示、20 世紀以後における最適覚醒論、動機付けの理論、発達心理学、チャンク化の議論など、学習をめぐる様々な認知科学や心理学の理論とともに遊び-ゲームの理論は発展してきた。本稿では、古代から現代に至る議論の歴史上、重要な学説・論点を簡単に概観し、整理する。
eスポーツ(セッション6)
ゲーム開発(3)(セッション7)
  • 蘇 路文, 阿部 正樹, 渡辺 大地
    p. 120-123
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本論文は、エネルギー波が水面を通過して波紋を引き起こす現象をシミュレートするための水面と剛体との One-Wayフレームワークを提案する。このフレームワークの目的は、一般的なシミュレーション方法に比べて、レイトレーシングやスペースクリッピングのようなレンダリング技術を組み合わせて計算負荷を減らすことである。また、エネルギー波と水面の相互作用するためのユーザー定義パラメーターも提供する。
  • 赤井 亮太, 吉野 朱香, 中村 晴信, 沖田 善光
    p. 124-127
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    現在のゲームの入力インターフェース(IF)は健常者中心の設計で、障碍者のニーズは十分に対応されていない。そこで本研究では、誰もが自然に行っている動作である呼吸を用いた新しい入力 IF の開発を試みた。従来の呼吸の測定法は拘束感があり、長時間使用に適さないため、心電図から推定した呼吸信号を基にゲームへのコマンド入力を作成した。次に、心電図からの推定呼吸信号がゲームへの入力として利用できるかを検討した。
  • 小川 充洋, 小林 雅弥
    p. 128-130
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    白内障の治療のためには水晶体を眼内レンズに置換する治療が用いられる。なかでも多焦点眼内レンズは複数のピントが合う位置があるため、患者の QOL の向上が期待できる。一方、多焦点眼内レンズ患者においては、ハロー・グレア現象と呼ばれる、夜間など暗所での光に対する見え方の不具合が生ずることがある。具体的には、光がにじんで光点の周りに広がり、光点周囲にリング状の靄がかかるように見える現象である「ハロー現象」、光がぎらついくなどしてまぶしく見える現象である「グレア現象」などがある。これらの現象はよく知られているが、眼内レンズ装着者の主観的な視覚によって観察されるものであり、客観的な議論には限界がある。われわれは、3DCG のポストプロセスによってこれら現象を VR 空間で再現する研究を進めている。最終的には、それぞれの眼内レンズ装着者が感じているハロー・グレア現象と一致するポストプロセッシングを患者毎に行うことを目標としている。これにより、ハロー・グレア現象の客観評価を目指す。今回は、本研究の第一法として、主にハロー・グレア現象を再現可能なポストプロセッシングについて報告する。
ゲームプレイ(2)(セッション8)
ゲーミフィケーションとシリアスゲーム(セッション9)
  • 白土 雄基, 松田 礼, 粟飯原 萌
    p. 146-149
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    反復学習などのデジタル教材は需要に反して離脱率が高い事や,初学者のモチベーション維持に対するサポートが不足している問題がある。本研究では,この問題を解決する学習用シリアスゲームの開発を目的とする。我々は,学習用シリアスゲームのため,フロー理論を基に学習者毎に学習課題の難易度を調節するアルゴリズムを作成した。本稿では提案するアルゴリズムを Excel 上で実装し,20 人に利用してもらった結果から有効性を述べる。
  • - スマホでポーカーラリーの事例 -
    加納 英樹, 東 善朗, 荒木 咲良
    p. 150-153
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年,教育ゲーミフィケーションがますます人気を集めている.その目的は,健康,仕事,メディアなど,さまざまな分野で人々の考えや行動を変えることである.一方,社会課題に対して実際に行動変容を促すためのゲーミフィケーション(以下,社会課題ゲーミフィケーション)も存在するが,研究は進んでいないと言われている.本研究の目的は,社会課題ゲーミフィケーションを社会実装するために必要な要件を明らかにすることである.「スマホでポーカーラリー」の開発や試行を行った結果,一からゲームを作る必要はなく,既存のゲームルールを使うだけでも行動変容が期待できることがわかった.
  • 藤川 大祐
    p. 154-159
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究は、学校教育においてゲーム的構造が見られることを踏まえ、学校において複数のゲームが同時に並行して進行している「多重ゲーム構造」をモデル化し、具体的なことがらへの適用を検討するものである。多重ゲーム構造に関わる先行研究として、進化ゲーム理論、Carse、スーツ、野矢の議論、人類学における議論を外観した。そして、多重ゲーム構造の一般形として時間・空間が限定されないゲームが進行し、時間・空間が限定されるゲームが断続的に進行しており、これらゲームの中には互いに相容れないものがあったり、同じゲームに見えていたものが異なるゲームであったりすることがあるということを示し、モデルとして図示した。そして、学校教育における多重ゲーム構造が問題となる例として、教師と児童生徒とで異なるゲームがプレイされている場合と、教師等の間で相容れない複数のゲームが並行してプレイされている場合について論じた。
企画セッション 1
  • - 日本ゲーム博物館の事例からの考察 -
    小出 治都子, 中林 寿文, 半澤 雄一
    p. 161-163
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年、博物館や美術館においてゲームに関する展示が数多く行われるようになった。その展示ではゲームソフトパッケージやメディアなどの原物資料や関連資料とともに、実機でプレイできる状態で展示されることが多い。しかし、プレイアブル展示はプレイ操作により摩耗故障するリスクをはらんでおり、稼働できるようにするためには必要に応じて修理やメンテナンスが必要となる。 ゲーム資料を次世代に引き継ぐために、どのような保守していかなければならないのか、また今後の課題は何か。本セッションでは、これまで発表者が調べてきたゲーム資料の保守の現状を述べるとともに、海外のゲーム専門の博物館や日本ゲーム博物館の事例を報告し、議論を展開させていく。
  • - 量産される工業製品である点に着目して -
    中林 寿文
    p. 164-168
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    アミューズメントゲーム機は筐体のデザイン、コントローラー、ソフトウェアの総体として構成されている。これらを保管・展示する重要性は増しているが、動態保存し試遊展示する為の保守手法は必ずしも整理されてはいない。そこで、本稿では一定量量産される工業製品である点に着目して、次世代に引き継ぐために資料の劣化を防ぐ方法と保存修復について検討する。
  • - 日本ゲーム博物館の実践と課題-
    半澤 雄一
    p. 169-171
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    2012 年に誕生した日本ゲーム博物館はピンボール筐体やアーケードゲーム筐体を保守している施設博物館である。現在、リニューアルオープンに向けて休館中だが、名古屋市博物館をはじめ、さまざまなレトロゲームの展示イベントにも協力しつつ、開店準備とメンテナンスを行っている。アーケードゲーム筐体の修理にあたり重視している点は「できるだけオリジナルに近い状態稼働できるようにすること」としている。しかし、費用の点を含め、人員の育成など、保守をしていくにはいくつもの課題がある。だが、「アーケードゲームを楽しんでもらいたい」「アーケードゲームを後世に残したい」という思いのもと、さまざまな人に楽しんでもらえるよう今後も努力を続けていきたいと考えている。
企画セッション 3
インタラクティブセッション
  • -対面プレイでの会話機会創出の要素-
    刁 可心, 遠藤 雅伸
    p. 184-186
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    複数人によるゲームプレイでは、プレイヤー同士のコミュニケーションが発生する。これを利用し、コミュニケーションツールにゲームを用いるゲームデザインが行われている。我々は、ゲーム時プレイヤーのコミュニケーション発生と変化を調査した。調査は実装した協力プレイゲームで行ったが、初期プロトタイプにルール変更を加えることで、コミュニケーションの変化を見た。その結果、相談を提案するルールが入って、コミュニケーションが活発になった。そして、プレイ前に相談することでルールが理解され、ゲームの流れが良くなっている。また、予定通りに勝てることで達成感が得られ、勝負に執着しなくなった。
  • 林 龍星, 北原 鉄朗
    p. 187-192
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    BGM はゲームを構成する重要な要素の一つである.特に,ゲームのクオリティを向上するためには適切な BGMを選ぶことが求められる.クリエイターはシーン(オープニング,ダンジョン,他)ごとの違いを考慮して BGM を選ぶ必要がある.しかし,リソースの限られたクリエイターにとって適切な BGM を必要なだけ用意することは難しい.そこで,本稿ではクリエイターが制作したゲームのシーンとゲームを制作する際に参照したゲームから適切な BGM を検索するシステムを提案する.本稿は,まず過去に提案したシステムについて述べる.このシステムはクリエイターが制作したゲームの映像から BGM の音響特徴を予測して BGM を検索する.次に,過去に提案したシステムの課題について述べる.最後に,新しく提案するシステムについて述べる.このシスタムはクリエイターがゲームを制作する際に参照したゲームの BGM を別のシーンに適合した上で BGM を検索する.
  • 八巻 友香
    p. 193-198
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    本研究では、情熱の二元論モデル(Dualistic Model of Passion)に焦点を当て、ビデオゲームとウェルビーイングの因果関係のメカニズムを検証しました。ゲームに対する情熱の強さがプレイヤーの幸福感にどのような影響を与えるかを検証し、媒介分析を通じてビデオゲームとウェルビーイングを結びつける潜在的媒介因子を明らかにすることを試みました。結果的に、調和性情熱、強迫性情熱、ビデオゲームのプレイ時間は媒介変数として統計的に有意な媒介効果ではありませんでした。これらの知見は、媒介関係の複雑で微妙な性質を浮き彫りにし、観察された効果を促進する潜在的なメカニズムを明らかにするために、さらなる調査とモデルの改良の必要性を強調しています。
  • 〜独自ゲームによる初期研究 〜
    牧 佑弥, 中村 隆之
    p. 199-201
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ビデオゲーム動画配信市場が急成長している一方で、ゲーム機やモバイルゲームのプレイ時間が減少している。この傾向からビデオゲームをプレイせずプレイ動画を視聴する層が増えていると考えられる。本研究では実験用に独自のゲームを制作し、そのゲームをプレイした人とプレイ動画を見た人とでゲーム内容の記憶量に差が生じるかを調査する。ビデオゲームをプレイする被験者群、プレイ動画を視聴した被験者群それぞれに対し、プレイ後または動画視聴後にゲーム内容に関する記憶テストを実施し、結果を比較する。本研究は途中段階であるが実験用ゲームのプロトタイプおよび記憶量テスト手法の検討過程について発表する。
  • 長谷川 綾音, 斎藤 進也
    p. 202-206
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    ビデオゲームは QOL 向上に寄与する娯楽であるが、目視以外で画面情報を認識できず、視覚障害者にとってプレイが難しい。これまでにビデオゲームの「遊びにくさ」を分析し、音によるフィードバックの重要性について検討を進めた結果、情報保障の質的向上のためには「メニューUI 画面における選択」と「3D 空間における移動」の実装において措置をとる必要性が明らかになった。こうした観点から、実装を行った試作品についてデモを行う。
  • 渡邉 文枝, 見舘 好隆, 小野 憲史, 藤川 大祐
    p. 207-209
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/28
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    近年、AI や VR,IoT などを活用した DX が急速に進んでいる。このような現代社会においては、「創作表現を行い新たな価値を創造する」、「コミュニティにおいて積極的に情報発信を行う」ことが指摘されているオタク人材が必要であると考えられる。本研究では、そのようなオタク人材が持つ「オタク力」に着目し、学業場面におけるオタク力の要因とその構造について検討した。首都圏の 2 つの大学の学生を対象に質問紙調査を行った結果、オタク度に関する質問については、オタク度の低い回答者よりも高い回答者のほうが多かった。オタク力度に関する質問については、オタク力度の高い回答者よりも低い回答者のほうが多かった。また、学業に関する勉強に活用しているオタク力については、「集中力」、「趣味から得られた知識」に関する回答が多くみられた。
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