抄録
1970~1980 年代に主に米国で発展したRPG は、日本では1980 年代にパソコン雑誌などの紹介を通してマニア層に、また少年マンガ誌などの紹介を通して子どもや一般層に普及した。さらに西洋のRPG(WRPG)を分かりやすく親しみやすいものにした『ドラゴンクエスト』に対し、WRPG への回帰を目指した『ファイナルファンタジー』などが制作され、日本でRPG 文化が共有されていく。本研究は、日本のクリエイターやライター・編集者、プレイヤーによるRPG の領有・我有化(Appropriation)過程を、文学社会学やゲーム研究の枠組みを参照して再構築し、JRPG 研究の基盤を提示する。