抄録
個人による情報の発信と拡散が容易になった現代において,我々は情報を大量に処理しており,この過程で読み手の信念は他者の意見から影響を受ける場合がある.この原因として,人間が持つ,無意識のうちに非合理的な判断をしてしまう心理的概念である認知バイアスが挙げられる.認知バイアスには現在100 種以上あることが知られており,これらによって自身の思考にエラーが起きることを認識し,即応検知能力を向上させる手段が求められる.そこで,我々は自身への認知バイアスの影響を認識し,即応検知能力の向上を目的とするシリアスゲームの開発と評価を行った.本研究では,評価尺度として学習意欲に関する概念であるARCSモデルと情報の受け入れ可否に関する批判的思考態度尺度を用いた.その結果,本ゲームがプレイヤーの学習意欲を向上させ,プレイヤーが自身の論理的思考の誤りに気づき,より多くの情報から判断する態度を持たせることが確認された.