抄録
【背景と目的】洗浄に携わるスタッフが増えたことから、洗浄方法の問題点を共有し、洗浄の質向上に繋げることを目的とした。【方法】平成30年10月から平成31年1月に、使用済み内視鏡を無作為に選択し、洗浄を行った9人を対象に、用手洗浄後のAMPを測定した(以下、A3)。拭き取りは、①彎曲部 ②軟性部 ③オレドメから操作部 ④吸引シリンダー内 ⑤送気送水シリンダー内 ⑥洗浄容器内の6か所とし、気管支鏡は⑤を鉗子チャンネル開口部とした。剥離液回収は、⑦先端部の浸漬 ⑧吸引管路 ⑨送気送水管路 ⑩鉗子起上管路 ⑪副送水管路 ⑫ボタン類浸漬の6か所とした。A3値が100RLU以下になるまで洗浄し、有意水準5%で分散分析を行なった。【結果】初回洗浄71件、再洗浄率36.62%、再々洗浄率11.27%で、内視鏡シリアル番号別・検査治療部位別・処置の有無別・洗浄者別に有意差はなく、測定サイト別に有意差が見られた。【考察】内視鏡は、挿入部だけでなく、操作部・ユニバーサルコードも含め、全体を清浄化し消毒する必要があるため、特定サイトに限定せず、内視鏡全体の評価をすることが望ましい。再洗浄後にA3値が上昇した例が数件あり、すすぎが不十分だったことで残留した汚れが別個所に再付着したと思われる。酵素洗浄剤は低起泡性を使用しているため、すすぎの良し悪しを目視で判定するのは難しく、十分な水量と適切な水圧が必要である。【結論】1.内視鏡の清浄度調査において、シリアル番号別・検査治療別・処置の有無別・洗浄者別に有意差はなく、測定サイト別に高い有意差が認められた。2.清浄不良を数値化することで、洗浄不足の原因を自主的に追及する機会となり、洗浄方法の改善と衛生管理意識向上に繋がった。3.目視だけでは限界があるため、数値化して評価できるA3法を、洗浄毎もしくは日常的に導入し、定期的に、特定サイトに限定しない内視鏡全体の清浄度評価が必要である。