道南医学会ジャーナル
Online ISSN : 2433-667X
当院における内視鏡検診の現状
武藤 真奈美久保 公利加藤 元嗣
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2021 年 4 巻 1 号 p. 49-50

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抄録

【目的】函館市の胃癌検診受診率は3.3%、大腸癌検診受診率は3.1%であり、全国と比べて低い。また大腸癌の標準化死亡比は137.8と高値であることが特徴である。当院では2017年に内視鏡検診を導入した。今回我々は内視鏡検診受診者数の推移と検診による癌発見者数について検討を行った。【対象と方法】2017年4月から2020年3月までに当院で内視鏡検診を施行した294例(上部169例、上下部125例)について受診者数の推移およびリピーター数、癌発見者数について後方視的に検討を行った。【結果】年齢は27歳から89歳まで平均値54.4歳で、男性178例、女性116例であった。検診受診者数は2017年度83例(上部51例、上下部32例)、2018年度89例(上部46例、上下部43例)、2019年度122例(上部72例、上下部50例)であり増加した。リピーター数は2018年度15例(16.9%)、2019年度36例(29.5%)であった。癌発見者数は2017年度早期胃癌1例、2018年度早期大腸癌1例、2019年度早期大腸癌1例、早期胃癌2例であった。【結語】内視鏡検診受診者数、リピーター数ともに年度毎に増加した。また、検診により5名の早期癌を発見できた。しかしリピーター率は29.5%であり、改善の余地がある。今後は内視鏡検診に対する満足度調査を行い、リピーター数の増加に努めていきたいと考える。

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