道南医学会ジャーナル
Online ISSN : 2433-667X
長径10cmの卵管卵巣膿瘍が保存治療により画像上で消失した1例
佐藤 賢一郎福島 安義
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2022 年 5 巻 1 号 p. 96-100

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抄録
症例は81歳で、下腹痛、下痢、食欲不振、全身倦怠感の主訴で内科を受診したところ、長径10cmに及ぶ大型の卵管卵巣膿瘍を認め産婦人科を紹介された。メロペネムを投与したところ著効し、画像上で膿瘍病巣が消失した。カルバパネム系薬剤は国内外のガイドラインで推奨されておらず、薬剤耐性の問題もあるが、感染症に対して脆弱と考えられ、合併症等で周術期リスクも高いと考えられる高齢者等では、カルバパネム系抗生剤の使用による強力な抗菌治療も選択肢の一つとして考慮してよいのではないかと考える。
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© 2022 道南医学会
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