抄録
TBB系レジンセメントの接着耐久性改善の試みとして,エナメル質とステンレス鋼の接着におよぼす銅塩含有プライマーの効果を検討した.牛歯エナメル質を10%リン酸でエッチング後,銅塩を含むアセトンプライマーで処理し,TBB系レジンで接着した.水中での熱サイクル試験を行った後,引張り接着強さを測定した.市販のコンポジット型レジンセメントとも比較した.銅塩の塗布はMMA-TBBレジンによる接着強さの耐久性を全般的に向上させたが,2-メタクリロイルオキシエチルコハク酸銅を含むプライマーを用いて,4-META/MMA-TBBレジンで接着した場合に最もよい耐久性が得られ,市販品よりもすぐれていた.熱サイクル2,000回後でも接着強さの平均値21MPa,最低値約12MPaが維持されていた.