抄録
コンポジットレジンの歯質接着性を変えることにより,繰り返し負荷後,窩洞辺縁部の劣化度にどのような影響がみられるのかを検討した.接着条件として,エッチングおよびボンディング処理の有無や種類を変えて1級窩洞にコンポジット充填を行い,40万回の繰り返し荷重負荷後,辺縁部の露出エナメル質の幅を劣化度として測定した.その結果,エッチングおよびボンディング処理を併用した場合は,そのどちらかまたは両者を省略した場合と比べ,1種のコンポジットレジンを除いて露出エナメル質の幅は有為に小さかった.辺縁でのSEM観察でもほぼ同様の所見が得られた.いずれの接着条件においても,劣化度は最初の5万回の間が最も大きかったが,繰り返し回数とともに減少した.