抄録
6個の四級炭素をもつ5-メタクリロイルアミノサリチル酸(MASA)の13C-NMRスペクトルをDEPTスペクトルならびにCH-cosyやHMBC等の2次元NMRスペクトルの解析により完全帰属した.MASAの13C-NMR化学シフト値のコンピュータプログラムによる経験的な予測はC1と2'位CH3の値を除いて観測値と比較的よく一致した.2次元NMRを用いた核オーバーハウザー効果の測定・解析と分子軌道計算結果の比較によりMASAの側鎖部分の立体配置は極性および非極性雰囲気下において異なることが示唆された.