抄録
チタン研磨面の汚染について検討した.研磨装置により,SiC耐水研磨紙を用いて水冷下で研磨し,研磨面の元素分析,X線回折,硬さ測定を行った.10~30μmの大きさの汚染物様のものが研磨面全体に観察された.そこでのTiの見かけの濃度は約10%低下し,SiとOの濃度が高かった.Siの結合状態はSiCまたはTi-Si化合物のそれに似ていた.Oは固溶酸素として存在し,研磨面を硬化させた.汚染物は非晶質か,あるいは非常に薄いことが示唆された.このようなチタンの汚染は,その硬さとも無関係ではないが,研磨材との何らかの反応によると考えられる.