Dental Materials Journal
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スルフィン酸系開始剤を用いたレジンによる象牙質の接着に関する研究
ミン ミンニュン今井 庸二
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1996 年 15 巻 2 号 p. 175-182,253

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抄録
スルフィン酸/BPO/アミン系重合開始剤を用いたMMA/PMMAレジンの象牙質への接着に関し,リン酸あるいはクエン酸の象牙質前処理剤に添加する塩化鉄あるいは塩化銅の効果およびレジンへの酸性モノマーの添加効果について検討した.10%リン酸/3%塩化鉄で象牙質を前処理することにより接着強さは顕著に向上した.クエン酸系前処理剤および銅塩添加の前処理剤は接着強さの向上にあまり効果的ではなかった.接着強さが向上したメカニズムについて,象牙質-レジン界面での鉄イオンによる重合促進作用という観点から考察した.接着強さの向上には適当な酸性モノマーの存在が不可欠であった.その有効性は酸の種類によって異なり,2つのリン酸エステル系モノマーは効果的であったが,メタクリル酸はほとんど効果がなかった.
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© 日本歯科理工学会
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