Dental Materials Journal
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歯科鋳造用合金の室温と高温での熱拡散率と比熱
浅岡 憲三
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1997 年 16 巻 1 号 p. 78-86,112

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抄録
歯科鋳造用合金4種(銀基合金,金-パラジウム合金,高カラット合金,ニッケル基合金)の熱拡散率と比熱を,室温から750°Cの温度範囲で,レーザーフラッシュ法で測定した.銀基合金と高カラット合金の熱拡散率は,室温で18-24mm2/s, 600°Cで40-53mm2/sと相互に顕著な差はなかった.金-パラジウム合金,ニッケル基合金では,室温で8-12, 3-4mm2/s, 600°Cで19-22, 5-6mm2/sであった.これは,これらの合金の基本組成の純金属に較べて著しく低かった,室温での比熱は,高カラット合金,銀基合金,金-パラジウム合金,ニッケル基合金で,0.14-0.16kJ/(kg・K), 0.24-0.34kJ/(kg・K), 0.17-0.19kJ/(kg・K),そして0.45-0.51kJ/(kg・K)であった.高温での,ニッケル基の合金の測定された比熱は表面の酸化被膜形成と関係していた.
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