Dental Materials Journal
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疎水性コンポジットレジンへのプラーク付着について
新谷 英章林原 久盛村上 淳子董 瑞香佐藤 尚毅井上 時雄
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1983 年 2 巻 2 号 p. 198-203,228

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抄録

Bis-MPEPPモノマーを有する疎水性コンポジットレジンMicrorestは,着色性,吸水性が低く,疎水基を有する表面の利点が判明した。
今回,このような疎水性表面に対して,細菌々体がどのような付着を示すのかをin vitro及びin vivoで検討した。
Streptococcus mutans HS-6とS. sanguis ATCC 10556を用いたin vitroでの付着実験では,Microrestは従来型レジンに比べ菌体付着が少なかった。S. mutans HS-6による人工菌垢形成実験では,差は認められなかった。試料を口腔内に装着して,口腔内レンサ球菌の付着を調べたところMicrorestはClearfilに比べ,付着菌数が少なく,しかも菌数が増加するのに時間を要した。
コンポジットレジン表面の疎水性がレンサ球菌の付着を減少させていることが推察され,表面の物理化学的性状が,細菌の付着に影響を及ぼすものと考えられる。

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