抄録
三種類の市販陶材焼付用合金において,1000℃から室温までの冷却中に起る相変化を電気抵抗測定,X線回折実験,EPMA実験により検討した。それぞれに異なった相変化が検出された。高カラット金合金ではPt2PdSnのLl2規則相が粒界に,パラジウム基合金ではPd3Inを基本とする面心正方晶が粒内に生成した。低カラット金合金の場合には粒内および粒界において典型的な二相分離反応を呈した。各合金における冷却中の反応は以下の通りである。
高カラット金合金
α0(fcc)→α(fcc)+β(Ll2)
低カラット金合金
α0(fcc)→α1(fcc)+α2(fcc)
パラジウム基合金
α0(fcc)→α(fcc)+β(fct)