抄録
エメリペーパー400番研磨,バフ研磨および表面滑沢硬化処理を行った床用レジンへのStreptococci, Blackpigmented BacteroidesおよびCandida albicansの付着について検討した。
S. sanguisおよびB. gingivalisは,他の供試菌に比べ床用レジンへよく付着していた。床用レジンの表面性状別にみた場合,S. oralis, B. gingivalis C-101およびB. intermedius C-001は,表面粗さの最も大きい400番研磨面への付着が表面粗さの小さいバフ研磨面および表面滑沢硬化処理面よりも多く,S. sanguisでは表面滑沢硬化処理面への付着が少なかった。S. mitisおよびC. albicansでは表面滑沢硬化処理面への付着が多かった。その他の供試菌では,表面粗さと細菌付着との間に有意な関連はみられなかった。
一方,S. sanguis, B. gingivalis C-101およびC. albicansの各研磨面からの脱離性についてみた場合,C. albicansはエメリペーパー400番研磨面からの脱離率が悪かった。これらの結果から,デンチャー・プラークにとっては,義歯床表面を滑沢することが必要であることが示唆された。