抄録
14C-PERGOLIDE MESYLATEをラットおよびサルに経口投与し,その血漿蛋白結合,吸収部位および胎児・乳汁移行性について検討し,以下の結果を得た.
1.妊娠12目目のラットでは,胎児は母体血漿中濃度の50%であり,胎児移行性は低かった.妊娠18日目のラットでは,投与後48時間に胎児の肝臓,肺および腎臓は母体血漿中濃度の2.0~5.9倍であった.
2.乳汁中放射能濃度は投与後2時間および24時間にピークを示したのち,72時間まで半減期9.Ohrで消失した.投与後24時間における乳汁中濃度は,同時に測定した血漿中放射能濃度の14倍を示した.
3.血漿蛋白結合率(in vivo)は,雄性ラットでは70.3~72.4%,雄性サルでは62.3~69.1%であった.14C-PERGOLIDE 1000ng/m1とし
た際の血漿蛋白結合率(in vitro)は,雄性ラット,サルおよびヒトで97.1~97.8%であった.血漿蛋白結合率はL-DOPAを併用しても変化しなかった.
4.雄性ラットの結紮した消化管ルーフ内に注入した際,注入後6時間における放射能の残存率は胃>回腸,結腸,直腸>十二指腸>空腸の順であった.