2019 年 29 巻 p. 277-284
これから入試広報活動を検討・再考しようとする個別大学が,入試広報戦略を策定するうえで,注意すべき論点についてまとめる。進学意識の情報収集を行い,入試方法戦略を策定していく流れのなかで,入学志願者動向および追跡調査を利用するとともに,地域性も検討する必要がある。個別大学の事例を報告することにより,入試広報活動を取捨選択する初期の段階で,広報活動一覧や入学志願者一覧などのデータベース構築が有用であることを示す。また,入試広報活動に付随する諸問題として,大学の情報発信・大学のセクショナリズム・人事異動などについてまとめ,打開策として上記のデータベースが役立つこと,共通事項として,広報活動の経済性・公益性についても論じる。