大学入試研究ジャーナル
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「言語活動の充実」によって高校までの「書く」学習の機会は増えたか
――大学新入生を対象とする定点調査――
渡辺 哲司島田 康行
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2019 年 29 巻 p. 55-60

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抄録

「言語活動の充実」を標榜する現行の学習指導要領(CS)によって高校までの「書く」学習の機会が増えたか否かを探るため,国内7大学の2013-2018年の新入生2,862人を対象に中学・高校時代の「書く」ことに関する学習経験を質問紙で尋ねた。得られた回答を,現行のCS下で学んだ(高校卒業年が2016年以降の)〈現CS〉群と,一つ前のCS下で学んだ(同2015年以前の)〈前CS〉群とに分けて比較した結果,「書く」学習の機会は〈現CS〉群の方でより多かった。また〈前CS〉群には見られた文・理両系の差(文系>理系)が〈現CS〉群には見られなかった。さらに,そのような変化と特に強い共変関係にあると推察される教科は,高校の外国語・国語・特別活動であった。

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