2021 年 31 巻 p. 161-166
大学入学者選抜試験の一般選抜前期日程において主体性等1)を評価する際,面接試験は時間的制約より実施が現実的でない。本研究は面接試験の代替手法として新たにペーパー・インタビューという評価手法を提案し,高校2年生168名に対し実施した試行試験の報告を行う。試行した2つの問題について,得られた答案を電子データ化しクラスター分析を行った。分類された各クラスターの特徴語から,答案に記述される内容は勉強や部活,文化祭など画一的となることが明らかとなった。評定者3名の評定値が高い答案には活動やその振り返りが具体的に読みやすく記述されているという共通点がみられた。ペーパー・インタビューは書いて表現する力も評価に影響することが示唆された。