志願者数や倍率の確保を目的とした「入試広報」が機能しなくなりつつある現在では,求める人材像,学びの必然性,教育研究の特徴および育成する人材像等をステークホルダーに対して広報(パブリックリレーションズ)することが求められている。本稿は,被災地域の復興を担う人材育成を掲げて設置された食農学類の新設広報に関する効果検証を報告したものである。従来の「入試広報」だけでなく「広報(パブリックリレーションズ)」を機能させ,主に対面型広報の手段を活用し展開した活動について,「入試結果」「入学者への調査結果」「志願実績のある高等学校教員へのインタビュー結果」から分析を行い,「広報」の有効性についての確認や成果と課題などを整理している。一定の成果は確認できたものの,「入試制度」「学力問題」「県外への対応」など課題も明らかとなっている。