2026 年 36 巻 p. 76-83
志望理由書等の受験生が作成する出願書類は,志願者の適性や能力を評価する上で重要な資料であるが,これらの文書が生成 AI で作成される可能性が懸念される。そこで本研究では,生成 AI がどの程度の文書を生成できるかを明らかにするため,独自に語学系学部を設計し,志望理由書を対象に人間と ChatGPT が作成した文書を比較分析した。分析の結果,人間作成の志望理由書は体験重視の志望傾向が強く,ひらがなを多用した平易な文体が多かった。一方,ChatGPT 生成の志望理由書は研究開発重視の志望傾向が中心で,漢字・カタカナの比率が高く,多様な語彙を用いたより高度な文体で構成されていた。また,3 人の評価者が 12 点満点で志望理由書を採点した結果,平均得点(標準偏差)は人間作成が 6.65(2.33),ChatGPT 生成が 10.52(1.72)となり,後者が有意に高い評価を得た。