動物臨床医学
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症例報告
組織学的な肝動静脈瘻と原発性門脈低形成の犬の1例
阪本 裕美坂井 学浅野 和之渋谷 久佐藤 常男亘 敏広
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2015 年 24 巻 2 号 p. 76-80

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抄録

11カ月齢,雄のチワワが間欠的な嘔吐と下痢のために来院した。犬は肝酵素値と総胆汁酸が上昇しており,超音波検査で腹水貯留,肝臓の内側右葉の腫大と血流増加が認められた。また腹腔鏡検査で後天性門脈体循環側副路の存在から門脈圧亢進症が示唆された。これらの所見から内側右葉に肝動静脈瘻の存在を強く疑い試験開腹を行ったが,肉眼で明らかなフィステルを確認することができなかった。剖検による病理組織学的検査で,内側右葉に典型的な肝動静脈瘻の病理組織学的所見とその他の葉に原発性門脈低形成が認められた。

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