動物臨床医学
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症例報告
形質細胞性腫瘍と高悪性度B細胞性リンパ腫の徴候を呈した犬の1例
諏訪 晃久安川 邦美小路 祐樹羽迫 広人片山 龍三西森 大洋森本 寛之下田 哲也
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2016 年 25 巻 3 号 p. 101-104

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抄録

12歳のビーグルが全身の体表リンパ節腫大で来院した。各種検査結果からB細胞性高悪性度リンパ腫と診断した。症例は形質細胞性腫瘍に特徴的な高カルシウム血症とモノクローナルガンモパチーを随伴していた。UW25(the University of Wisconsin-Madison protocol)による治療の結果,全身の体表リンパ節の腫大は改善したが,高カルシウム血症とモノクローナルガンモパチーは改善しなかった。さらに皮下腫瘤が発生し,病理検査およびリンパ球クローナリティー検査の結果から,B細胞性大細胞型リンパ腫と診断した。メルファランとプレドニゾロンの治療に変更したところ,高カルシウム血症とモノクローナルガンモパチーは速やかに改善した。以上のことから症例は治療反応性の異なる2種の病態を呈していたと考えられた。

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