2017 年 26 巻 2 号 p. 69-75
獣医学科5年生144名に対して6種の症例シナリオを用いた医療面接実習を実施し,言葉遣い,傾聴,共感,信頼関係,満足度を問うLikert尺度(5件法)での学生評価を模擬クライアントに求めた。回収された142名の評価票の因子分析により,これらの設問項目は単一因子から構成され,総得点を算出することのできる適切な指標であると判断された。学生の性別,臨床経験,症例シナリオによる各項目得点および総得点の差違を検証したところ,臨床系学生では共感に優れていたこと,跛行あるいは下顎腫瘤を主訴とした症例シナリオでは得点が低かったことが明らかとなった。