動物臨床医学
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症例報告
腹腔内巨大膿瘍の外科摘出後長期生存のウサギの1例
今井 勇太郎植田 茉梨香上田 憲吾川口 太平立岩 想山口 雄木佐々井 浩志星合 里香井澤 武史桑村 充山手 丈至
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2019 年 28 巻 1 号 p. 21-24

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抄録

ウサギの腹腔内腫瘤性病変は腫瘍性疾患および非腫瘍性疾患どちらも発生することがあるが,手術を行わずに鑑別することはしばしば困難であった。今回,触診にて腹腔内に腫瘤が認められたウサギにおいて,各種検査[一般身体,口腔内,血液,X線,消化管造影,超音波,動物病院用3DマイクロX線CT Stella Scan AX(以下μCT)および血管造影μCT検査]を実施して消化管膿瘍が疑われた。試験開腹では腫瘤と周辺臓器との癒着が確認され,病変部を分離後,小腸の正常部位で吻合し生還した。術後,一時期不調を示したが内科療法によって回復し,術後493日経過しているが膿瘍の再発はみられていない。

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