日本土壌肥料学雑誌
Online ISSN : 2424-0583
Print ISSN : 0029-0610
有機質資材の窒素形態変化能推定条件の検討
青山 正和吉田 光二平井 隆平熊田 恭一
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 59 巻 4 号 p. 363-369

詳細
抄録

堆積期間の異なる都市ごみコンポスト、豚ぷん・おがくずコンポストおよび牛ふん厩肥を用いて、4連制で原物試料を風乾(25℃と50℃)およびインキュベート(30℃)し、経時的に無機態窒素量を測定した。1)試料の一部は、採取後、4℃で5カ月間保存した。この間、無機態窒素量の変化が認められたものの、腐熱の進行は認められなかった。2)風乾法によって推定された窒素形態変化反応はいずれの温度条件でもほんどんどちがわず、主要な反応は24時間以内に発現した。NH_4NO_3添加区を設けたことにより、推定された窒素形態変化反応の数は増加した。3)インキュベーション法によって推定された窒素形態変化反応は経時的に遷移したが、試料に特徴的な反応は2週間以内に発現した。4)風乾法とインキュベーション法を行う際の無機態窒素測定値の変動係数は、最大でも35%程度であり、窒素形態変化能の推定には支障なかった。5)以上の結果から、窒素形態変化能推定法としての風乾法とインキュベーション法を行う際の実験条件は、暫定的に次のように結論された。風乾法、25℃で24時間;インキュベーション法、30℃で2週間。なお、いずれの方法でも無機態窒素の添加区を設け、2連制で行う。

著者関連情報
© 1988 一般社団法人日本土壌肥料学会
前の記事 次の記事
feedback
Top