抄録
植物体温と空気温度との間には相当な差が認められ, とくに葉温は空気温度, 空気湿度, 光, 風に著しく複雑に影響されることはすでに知られている.本研究では, 葉温を目標値として設定し, 葉温のプログラムコントロールをおこなうために, グロースキャビネットにおいて葉温をfeedback信号として用い, 空気を熱伝達に用いる制御系を作成した.この葉温のfeedback制御系における葉温制御特性を解析するために, この葉温制御に外乱として, 葉面への光照射, 空気湿度変動, 風速変動を与えた.その結果, 次の点が明らかとなった.
1) プログラム制御における葉温のランプ応答は目標値に良好な追従を示した.その時の空気温度は, 葉温設定値10℃の時は葉温と同じであったが, 葉温設定値が上るにしたがって空気温度は葉温より高くなり, 葉温設定値40℃では43℃であった.
2) タングステンランプによって31mW/cm2の光照射を葉面に垂直におこなった場合, 葉温は一時的に上昇したが, 空気温度の下降によって15分以内に整定された.光照射の外乱としての効果は低温条件で大で, 高温条件で小であった.
3) 空気湿度を60% (RH) から80%に, また80%から40%に, 急速に変動させた場合, 葉温は一時的に変動したが10分以内に整定された.空気湿度変動の外乱としての効果は高温条件で大で, 低温条件で小であった.
4) 風速増加は熱伝達速度を大にし, 葉温制御系に光照射, 空気湿度変動を外乱として与えた場合, 風速の増加によって, その整定時間は著しく短縮された.