生物環境調節
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ナツミカンの着色に関する研究
第1報ナツミカンの着色に及ぼす温度の影響
松井 鋳一郎
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1974 年 12 巻 2 号 p. 17-24

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抄録
ナツミカン (川野アマナツダイダイ) は11月上旬から日陰にある果実より着色を始め, 陽に当る果実の陽光面側の果皮は着色が著しく遅れ, 12月に至って緑色が消失する.陽光面と日陰面の果皮のクロロフィル含量は異なり, その減少の様相も異なった.果面の位置を変えてこれを逆にした場合にも陽光面側の果皮のクロロフィルの消失は日陰面の果皮のそれより相当に遅れた.
果皮を種々の透光度を示す布袋で包んだ場合, 光の透過の少ない袋ほど果皮の緑色が多く残ったが, 果皮温度は緑色の残る果実ほど高かった.
果皮を被覆して果皮温度を下げて着色をよくする場合, 10月7日から11月17日まで処理した果実の着色がもっともすぐれ, 11月上旬以前は処理時期が遅れるほど着色が劣り, これ以後は処理が遅れるほど着色がよかった.クロロフィル含量は11月28日処理がもっとも多く, カロチノイドは被覆する時期が遅いほど含量は多かった.
採集した未着色果を33, 26, 20℃と室温におくと26℃がもっともよく着色し, 33℃の高温は着色を著しく抑えた.
果皮へのジベレリン処理は着色を著しく阻害したが, カイネチンなど他の植物生長調整剤では認められなかった.
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© 日本生物環境工学会
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