抄録
1) 果面温度の分布, 果実上の各測定点の時間的温度変化を調査し, 等温図の作成, 各測定点の一定温度の持続時間を調べたところ, 果皮にクロロフィルの緑色が遅くまで残る陽光面において温度上昇が著しく, 高温の持続時間も長かった.
2) 陽光中の果実と被覆処理した果実の陽光面と日陰面の正午の果面温度を経時的に測定した.陽光中の果実の陽光面は晴天日では11月中30℃以上の温度を示し, 最高気温よりも著しく高かった.日陰となる果面や雨曇天日においてはほぼ最高気温と同じであった.測定期間中平均してみると, 陽光中の果実の陽光面は1日当り, 日陰面より5.6℃, 最高気温より8.5℃高かった.最高気温と果面温度の相関を求めると晴天日の陽光中の果実の陽光面はy=0.665x+19.02, r=0.809, またこの果実の日陰面はy=0.849x+7.31, r=0.974であった.被覆処理した果実に関する回帰式を含め, 各区の相関係数, 回帰係数, y切片について有意差検定を行った.
3) 被覆をした果実としない果実の着色順序は, 9月4日から11月17日まで被覆した果実>全期問被覆した果実>被覆をしない陽光中の果実>11月7日より被覆をした果実の順であった.最前者は9月下旬より全期間を27℃から19℃の範囲で経過するのに対し, 最後者は11月中旬まで28℃を越す高温がつづき, 11月下旬19℃で経過するものの12月に入って11℃と著しく低温になった.これらの果実の着色経過は果面上の等温線とよく類似した.