2013 年 52 巻 6 号 p. 540-544
目的 : 20 代女性の子宮頸がん検診受診率向上を目的として携帯メルマガによる継続的性教育介入を行い, 子宮頸がん検診受診・HPV ワクチン接種行動を追跡した. ランダム化比較試験により介入効果を検討した.
方法 : 20 代女性に, 本研究について説明し登録のあった 389 名を対象とした. 携帯メールを用いたランダム割り付け無記名アンケート登録システムにより無作為に対象を 2 群に分け, 普通教育群 192 名と強化教育群 197 名に割り付けた. 普通教育群は講演後 1 ヵ月から 3 ヵ月ごと, 強化教育群は毎月, 1 年間メルマガによる性教育プログラムを送付し, 翌日に頸がん検診受診・ワクチン接種についてメールアンケートを行った.
成績 : 普通教育群 : 強化教育群で, メールアンケートの回答率は 33.3% : 35.5%, メルマガ送付 1 年以内の頸がん検診受診率は 9.4% : 11.4%, ワクチン接種率は 9.4% : 11.4%であった.
結論 : 性教育介入後, 普通教育群, 強化教育群において頸がん検診受診率, ワクチン接種率に有意差はなかった. 携帯メールを用いた登録回答システムの運用方法が確立され, 今後さまざまな教育介入効果の評価へ幅広く応用可能と考えられた.