抄録
施設栽培では密閉される機会が多いため, 土壌から発生するNO2ガスが施設内に蓄積して, 作物が被害を受けることがある.
本実験では, インゲン, キュウリ, トマト, ナスなどを用いて, NO2ガスによる障害に対するガス接触時の土壌水分, 空気湿度, 光などの環境条件の影響, および障害発生と作物の栄養, 苗令, 葉位などとの関係について調査した.
土壌水分が多いとき, あるいは空気湿度の高いときは土壌や空気が乾燥しているときよりも作物のNO2ガス障害は大きかった.
NO2ガス障害の発現に対して光条件の影響が大きいことが認められた.すなわち, 明条件下でNO2ガスに接触させると障害は著しく少なく, しかも光量が大きいほど発生が少なかった.また作物がNO2ガスに接触する前後の光条件も障害の発現に関係し, いずれも, 暗黒下においたものは, それぞれ明条件下においたものより障害が著しかった.
インゲンの初生葉は若いほどNO2ガス感受性が大きく, 本葉では葉位によってNO2ガスに対する感受性が異なり, 代謝活性の盛んな中位葉に被害が多かった.
植物の栄養状態については, チッ素が欠けているか, あるいはチッ素濃度の低い培地で生育したそ菜類は, 明らかにNO2ガス感受性が大きく, またNH4-N培地に生育したものは, NO3-N培地に育ったものに比べて障害が大きかった.またFe欠培地で生育した植物はNO2ガス感受性が高かった.