生物環境調節
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ナスの開花・結実に関する研究 (第3報)
苗の生育ならびに花芽形成に対する温度の影響
斎藤 隆
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1975 年 13 巻 1 号 p. 15-22

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抄録
ナスの生育ならびに花芽形成に対する幼苗期の温度の影響について調査した.
1) 昼・夜の温度較差を5℃とし, 昼温を15, 20, 25および30℃とした場合, あるいは昼温を17, 23および30℃とした場合, 温度の高い昼30℃・夜25℃で苗の生育が最も旺盛で, 花芽の分化は早く, 温度の低下に伴って生育は遅れ, 花芽の分化も遅くなり, 昼温20℃以下では生育が著しく悪く, 花芽の分化も著しく遅れている.
2) 昼温を25℃とし, 夜温を17, 24および30℃とした場合, あるいは昼温を30℃とし, 夜温を12, 18および25℃とした場合, 夜温24~25℃で苗の生育は最も旺盛で, 花芽の分化が早く, これより低くても高くても苗の生育は遅れ, 花芽分化も遅れている.第1花の着花節位は夜温の低いほど低下している.
3) 花芽形成に対する苗の生育時期別の温度の影響をみると, 第1花の着花節位に対しては, 第4葉分化時から第8葉分化時ころまでの期間, つまり子葉展開後2週間の温度が最も大きな影響をおよぼしている.この期間を低夜温に保つことによって, 第1花の着花節位は明らかに低下している.
4) ナスの花芽形成に対する温度の影響をみると, 低夜温によって花芽形成を起こす生理的条件の成立が早まり, 高夜温で遅れるものとみられる.しかし, 本実験の10℃から30℃の範囲では, いずれの温度下でも花芽形成が起こっており, 花芽が形成されるための直接的な条件として, ある特定の温度に遭遇することが必要であるということはない.
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© 日本生物環境工学会
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