生物環境調節
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植物に対する人工光の制御
II.人工光の光強度とスペクトル組成の自動制御
松井 健江口 弘美副島 泰彦濱古賀 道男
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1975 年 13 巻 3 号 p. 109-116

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抄録
本研究は植物に照射する光の強度とスペクトル組成の自動制御系を確立することを目的としている.前報では光制御における操作および出力装置の試作をおこなった.その装置では, スペクトル放射分布の異なる6種のランプを用い, SCR調光装置により各ランプの光出力を制御する方式を採用した.この装置においては, 各ランプの光出力をそれぞれに設定することにより, 目標とした光強度とスペクトル組成を得ることが可能となった.この装置に本報ではフィードバックおよびフィードフォワード制御システムを加え, 光強度とスペクトル組成の自動制御を試みた.フィードバック系では光強度 (300~800nm波長域のエネルギー量) を熱電対放射計により検出し, それをフィードバック信号としたPID制御をおこなった.フィードフォワード制御系にはオンライン電算機を組み入れた.この電算機システムにより, 6種のランプの光出力の目標値をそれぞれ個別に設定して制御することができ, また制御回路の選択によりこれら2種の制御系を組合せたフィードバック・フィードフォワード制御が可能となった.したがってこのフィードバック・フィードフォワード系では光強度を任意に設定した条件下で, スペクトル組成のプログラム制御が可能となった.この制御特性を解析した結果, 次の点が明らかとなった.
1) 光強度のフィードバック制御では, ステップ応答における遅れ時間は著しく小さく, 整定時間はおよそ5分であった.
2) フィードバック制御により光強度の制御精度は著しく向上, フルスケールの±1%以内であった.
3) フィードフォワード制御においては各ランプの光出力は良好な応答を示し, スペクトル組成の設定に十分な性能を示した.
4) フィードバック・フィードフォワード制御システムにおける分光放射照度の積分値は光強度の目標値に0.5%以内で一致した.この制御方式により, 任意の光強度条件下で光スペクトルを時系列として植物への照射をおこなうことが可能となった.
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© 日本生物環境工学会
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