生物環境調節
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ヒマワリの光合成速度に対するNO2, SO2, O3の単独および複合影響
古川 昭雄戸塚 績
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1979 年 17 巻 3-4 号 p. 161-166

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抄録

ヒマワリの純光合成速度に対するNO2, SO2, O3の単独処理と混合処理の影響を調べた.使用した汚染質の濃度は, NO2が1.0か0.2ppm, SO2とO3は0.2ppmである.
1.0ppm NO2, 0.2ppm O3, 0.2ppm SO2単独処理では光合成速度の低下は観察されなかった.これらの濃度の大気汚染質を2種類もしくは3種類混合して処理すると顕著な光合成速度の減少が見られた.NO2とSO2の混合処理ではNO2の濃度が変わると光合成阻害は変化するが, NO2とO3, NO2, SO2, O3の混合処理の場合には, NO2濃度が1.0ppmでも0.2ppmでも光合成阻害の度合には差がなかった.
NO2とO3混合処理による光合成阻害の傾向はSO2とO3, もしくはNO2, SO2, O3混合処理による阻害傾向とはまったく異なっていた.NO2とO3の混合処理では光合成速度は処理時間に比例して減少したが, SO2とO3, もしくは, NO2, SO2, O3の混合処理では光合成速度は急激に減少した.

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