生物環境調節
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土壌の二酸化炭素の発生速度と土壌溶液中の溶存有機炭素量との関係
森林の風乾土壌を湿潤処理した場合
瀬戸 昌之牛島 忠広神山 恵三
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1980 年 18 巻 2 号 p. 49-56

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抄録
いくつかの地域の森林から土壌を採取し, 採土による攪乱の直接的な影響がなくなるまで, 25℃で静置培養した.これらの土壌の二酸化炭素の発生速度は土壌の採取地域によって大きな差を示した.この差は, 土壌のpH, 含水比, 従属栄養細菌数あるいは全有機炭素量との相関は低く, 遠心分離して得られた土壌溶液中の微量な溶存有機炭素量との相関が高かった.
土壌の風乾・湿潤処理による二酸化炭素の発生速度の大きな変化も溶存有機炭素量の変化と高い相関を示した.すなわち, 同じ土壌であっても, これを風乾しその後湿潤処理すると, 二酸化炭素の発生速度Y (mg炭素/kg乾土/時) は著しく増加しやがて減少した.このとき, 溶存有機炭素量X (mg炭素/kg乾土) も同様の増減を示し, 処理後しばらくの間を除いて, Y=aXが成立した.温度25℃における勾配aは, 府中市の関東ローム土で0.355, 鹿追町の火山灰土で0.077, 帯広市の沖積土で0.072, 鹿児島市の火山灰土で0.131, および名護市の石灰岩土で0.125であった.
以上のように, 土壌の二酸化炭素の発生速度は土壌溶液中の溶存有機炭素量ときわめて密接に関係することが明らかとなった.しかし, 土壌の採取地域によって勾配aが異なる理由は今後の課題として残された.また, 二酸化炭素の発生速度, 溶存有機炭素量および従属栄養細菌量との相互関連について二, 三の考察を行った.
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© 日本生物環境工学会
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