1980 年 18 巻 3 号 p. 85-91
制御環境下では蒸散, 気孔開度が葉温で同定されることは既に報告した.光合成は蒸散や気孔開度と密接に関係することから, 光合成もまた葉温で同定できないか, を検討した.その結果, 光照射で立上りは約12分くらいから, 最大葉温値までは光合成速度は葉温と対応して増加し, 最大葉温以後は葉温が下れば, それだけ光合成速度はふえるという逆対応がみられた.つぎに小さな水ストレスを周期的に加えると葉温は振動し, 光合成速度もまた振動したが逆対応であった.さらに大きな水ストレスでも, やはり同様の逆対応であった.以上, 光合成速度と葉温との関係は一部明らかになった.以上の特性をコンピュータに記憶させ, モニタした葉温で判断することにより, 光合成や水ストレスに対する最適な生育制御が容易に実現する.