1983 年 21 巻 2 号 p. 43-49
ヒマワリにSO2を処理して葉位別の可視障害の発現, 純光合成速度に対する影響について調べた.2.0μll-1SO2を6時間処理すると, ほとんどの葉位の葉に可視障害が発現したが, 障害の程度は葉位ごとに著しく異なり, 若い葉ほど障害を受けにくかった.
SO2を処理すると純光合成速度は指数関数的減少を示した.相対光合成速度とSO2処理時間の関係を片対数グラフ上にプロットすると, その関係は2本の直線で示すことができた.そこで, 直線の勾配を光合成阻害係数とし, SO2による光合成阻害をこの係数を用いて表わした.2本の直線のうち, 最初の直線の勾配, すなわち, 第1阻害係数は常に, 2番目の直線の勾配, すなわち第2阻害係数よりも高かった.また, 両阻害係数とも葉位によって著しく異なり, 若い葉ほど阻害係数は小さかった.