生物環境調節
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21 巻, 2 号
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  • 大西 成長, 吉田 光二, 佳山 良正
    1983 年 21 巻 2 号 p. 19-25
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究は, 過剰厩肥を連続施用したハウス環境条件下で, トマト果実の収量と不良果発生について観察するとともに, 土壌中の小動物と微生物相の消長について検討を試みた.その結果は以下のようである.
    厩肥中のN, K, Ca含有量は, それぞれ2.8, 2.8, 2.4%を示し, 高い含有量であった.
    果実収量は, 第1作5t区が50t区より1.2t/loa, 第2作50七区が5t区より1.08t/10a多収であった.第3作では尻ぐされ果が発生したが, 花数, 着果数および大型果の増加で補われ, 収量は増加した.第4, 5, 作では50t区で尻ぐされ果が, 5t無消毒区では萎凋病の発生があり, 両区とも減収した.
    土壌中の置換性KとCaのmg当量比は, 第2作で0.25, 第3作で0.20に低下し, かつ5七区の10倍以上の尻ぐされ果が50t区で発生した.これは土壌中にKとCaが多量集積し, 植物のCa吸収阻害または, 他の原因との複合によって起こると考える.
    糸状菌および細菌数の栽培中における推移は大きいが, 50t区と5t区, 土壌消毒区と無消毒区の間には有意な差が認められなかった.また, センチュウ, ヒメミミズおよびダニの個体数では, 第1作から第2作にかけて上昇し第3作で激減した.これは, 塩類集積および他の環境条件の変化が原因していると考える.
  • 玉木 浩二
    1983 年 21 巻 2 号 p. 27-35
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    植物の重量生長を非破壊・連続的に計測することは, 環境条件と植物の相互関係を研究するうえでの基礎的技術と考えられる.本研究はこの視点から, 弾性板を用いて作られた片持はりの自由端に植物の重量を支持する装置を設け, 片持はりの二断面に生ずる曲げモーメント差を弾性板上に接着した歪ゲージで構成するブリッジ回路の出力として検出することにより, 植物の姿勢変化による影響を受けることなく重量を計測しうるシステムを開発し, 水耕栽培した個体, および小群落状態の植物の重量生長を非破壊・連続的に計測することを試みたものである.その結果, このシステムによって, 個体および群落状態の植物の重量生長を計測しうる可能性が示されたと思われる.
  • 佐藤 秋生, 藤原 喬
    1983 年 21 巻 2 号 p. 37-42
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    インゲンマメ19品種の初生葉を用いて播種後12日に0.6ppmのオゾンを2時間接触させた.可視被害の程度はクロロフィルの減少率によって定量化し, 葉中の糖濃度, 浸透ポテンシャル, 蒸散, 拡散抵抗との関係について検討した.
    19品種のオゾン感受性は葉全体が壊死する品種から, ほとんど肉眼的には被害が認められない品種もあり, その症状は多様で品種によって感受性が異なることが明らかに認められた.オゾン感受性の高い品種は全糖濃度, とくに還元糖濃度が低く, 浸透ポテンシャルは低かった.
    また, 蒸散が大きい品種ほどオゾンによる被害が大きかったが, 拡散抵抗と被害との間には明確な関係は認められなかった.
    これらのことから, 葉中糖濃度, 浸透ポテンシャルの構成要素などがオゾンに対するインゲンマメの感受性に対して何らかの形で関与していることが推察された.また少なくとも葉齢が同じである場合には葉中糖濃度はオゾン感受性の指標となる可能性が認められた.
  • 古川 昭雄, 戸塚 績
    1983 年 21 巻 2 号 p. 43-49
    発行日: 1983/06/30
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    ヒマワリにSO2を処理して葉位別の可視障害の発現, 純光合成速度に対する影響について調べた.2.0μll-1SO2を6時間処理すると, ほとんどの葉位の葉に可視障害が発現したが, 障害の程度は葉位ごとに著しく異なり, 若い葉ほど障害を受けにくかった.
    SO2を処理すると純光合成速度は指数関数的減少を示した.相対光合成速度とSO2処理時間の関係を片対数グラフ上にプロットすると, その関係は2本の直線で示すことができた.そこで, 直線の勾配を光合成阻害係数とし, SO2による光合成阻害をこの係数を用いて表わした.2本の直線のうち, 最初の直線の勾配, すなわち, 第1阻害係数は常に, 2番目の直線の勾配, すなわち第2阻害係数よりも高かった.また, 両阻害係数とも葉位によって著しく異なり, 若い葉ほど阻害係数は小さかった.
  • 1983 年 21 巻 2 号 p. 51
    発行日: 1983年
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
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