生物環境調節
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土壌環境が温州ミカンの養分欠乏に及ぼす影響
清水 武森井 正弘
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1985 年 23 巻 4 号 p. 77-87

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抄録
現地で発生した温州ミカンの栄養障害事例について調査・収集し, 作物および土壌の養分状態を診断するための判定資料とした.調査の結果, 次の諸要素の欠乏障害が認められた.
1) マグネシウム欠乏: 旧葉のMg含量が0.13%以下となり, 葉脈間が黄変した.土壌の交換性苦土は21mg以下を示した.
2) 鉄欠乏: 葉中鉄含量は36ppmと低下し, 葉脈の緑色を残して, 葉脈間が黄緑~黄変した.土壌は酸性で, 交換性鉄含量が低かったが, 逆に交換性Mnや有効態P2O5含量が著しく高かった.
3) マンガン欠乏: 欠乏葉の葉中Mn含量は16PPm以下となった.また, 0.3%MnSO4液の葉面散布は欠乏症状を顕著に減少させた一方, マンガン欠乏園の土壌はCaO含量が高く, pH (H2O) 6以上を示した.また, 交換性Mnが3PPm以下に低下している園が多くみられた.
4) 亜鉛欠乏: 温州ミカンの欠乏葉の葉中Zn含量は16PPm, モモでは18ppmを示し, いずれも新葉の葉脈間に鮮明なクロロシスを発現した.土壌はpH (H2O) 7.3以上を示し, 交換性Znや2N MgCl2可溶性Zn含量が低下していた.
5) ホウ素欠乏: 葉中B含量は9~16ppmを示し, 果実に障害を発生した.土壌の水溶性B含量は0.18ppm以下であった.
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© 日本生物環境工学会
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