抄録
実験室レベルで根系-土壌間の相互作用を調べるための一つの実験系を提案した.この系は, 土壌の充填, 灌水, 根の染色操作をともなう根箱, ピンボード, 穴をあけたポリエチレンシートおよび透過光写真撮影装置からなる.この系の土壌環境を孔隙率と土壌水分の分布パターンおよび地温の変化から検討した.その結果, 提案した根箱への土壌充填操作は, 個人差なく, 再現性をもって比較的均質な孔隙率に調整しうること, それを反映して土壌水分の分布も同じ深さの土層内では比較的均質であることが確かめられた.地温の日変化の測定結果は, 根箱を地下壕に収納すれば, 自然に近い地温環境を根系に与えうることを示した.このように土壌環境を調節した根箱で生育した陸稲とトウモロコシの播種後1ヵ月の根系像の個体差はきわめて小さかった.この結果は, 根系-土壌間の相互作用の研究における土壌環境調節の重要性を強調するものである.