生物環境調節
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改良根箱法における土壌の貫入抵抗測定装置の開発
飯嶋 盛雄巽 二郎河野 恭広
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1990 年 28 巻 2 号 p. 41-51

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抄録

根箱内 (幅24×厚さ2×深さ40cm) 土壌の硬度の指標となる貫入抵抗値の測定装置を試作し, 容器内土壌における測定結果の有用性の検討を行った.この装置は, 直径2.3mm, 先端頂角30゜, 長さ50cmのピアノ線を探針とし, ひずみゲージ, 変異変換器などを組み合わせたシステムである.容器内土壌の測定に際して問題になるedge effectは, 6段階の異なる直径の探針を用いて検討したところ, 測定上の影響は, 無視できる結果が得られた.貫入抵抗値のポイント測定と連続測定との比較を行ったところ, 探針のロッドと土壌との摩擦抵抗は, 表層下10cm以降では積算されず, ほぼ一定の値を保った.両者の測定値における, 土壌深度別推移のパターンはよく一致していた.また, 土壌のage hardeningを貫入抵抗値の面から測定した.以上の結果から, 根箱内土壌の貫入抵抗値の土壌深度別推移を, 相対値として40cmの深度まで簡易に連続的に測定するうえで, 本機の有用性を認めた.

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© 日本生物環境工学会
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